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ちゃんと知ってほしい 生理痛のこと

もっとくわしく知ろう Dr.ヤワラゲールの月経困難症 解説ノート
日常生活に支障がある生理痛は、「月経困難症」です。ここでは、その症状や種類、原因についてよりくわしく解説するのであーる。
生理のメカニズム
そもそもなぜ生理が起こるのか、知っていますか?
およそ28日の生理周期の間には、卵胞期→排卵→黄体期→生理(月経)という流れがあります。
排卵に合わせて徐々に厚く成長し、受精卵を迎えるためのベッドの役割をするのが子宮内膜です。
着床が起こらない場合はその成長した子宮内膜ははがれ落ちてしまいます。
それが、生理のときの出血なのです。
月経困難症とは?
生理期間中に生理にともなって起こる病的症状のこと。
下腹部痛、腰痛など一般的に生理痛と呼ばれるものに加え、おなかの張り、吐き気、頭痛、疲労、
脱力感、食欲不振、イライラ、下痢および憂うつなども含まれます。
月経困難症は2タイプ
機能性月経困難症
生理の血液を排出するために子宮の収縮を促す物質(プロスタグランジン)の過剰分泌が主な原因です。
「機能性月経困難症」は疾患があるわけではありませんが、子宮や卵巣が未成熟であること、
冷えやストレスも原因と考えられます。一般に、思春期から20代前半に多くみられます。
器質性月経困難症
一方で疾患があるために起こるものは「器質性月経困難症」と呼ばれます。
原因となる疾患は「子宮内膜症」や「子宮腺筋症」「子宮筋腫」など。
一般に20代後半から多くなり、痛みの症状は、生理初日~3日目ごろを過ぎても続き、
生理期間以外に痛みが生じることもあります。
潜む病気について
「月経困難症」には女性特有の病気が隠れているかもしれないのであーる。痛みはカラダからの大切なサイン。どうか見逃さないでほしいのであーる。
原因となる疾患
あまりにも強い痛みがある人や生理の血液の量が多い人。また、以前はさほど気にならなかったけど、
痛みがひどくなってきている、生理の血液の量が増えてきたと感じる人は以下のような疾患の可能性があります。
子宮内膜症
子宮内膜組織が子宮以外で生育し、痛みを引き起こす病気です。
おもに10代後半以降で発症し、閉経まで長期的に続く慢性疾患。
子宮腺筋症
子宮内膜組織が子宮筋層内に潜り込み増殖する疾患。
激しい痛み、生理の血液の量の増加、それによる貧血などさまざまな症状が生じます。
子宮筋腫
子宮壁の筋肉の一部が異常増殖してできる良性腫瘍。
生理の血液の量の増加、生理の血液にレバー状のかたまりが混じるなどの特徴があります。
特に多いのが「子宮内膜症」
以上の中でも、「器質性月経困難症」の原因として、いちばん多く見られるのが「子宮内膜症」です。
最近耳にすることが増えた病名ではないでしょうか。ですが、まだまだ正しく理解している人が少ないのが現状。
子宮内膜に発症する疾患と誤解されやすいのですが、そうではありません。
子宮内膜組織が本来生育すべき子宮ではなく、それ以外の場所で生育してしまう病気です。
子宮以外の場所で、子宮内膜組織から出血することで、激しい生理痛などさまざまな症状を引き起こします。
発症のメカニズムは、子宮内膜を含んだ生理の血液の一部が、卵管を通って骨盤内に逆流し、
卵巣や周囲の臓器に付着し、そこで増殖するからではないかと言われています。
  • 子宮のイラスト
  • 卵胞期 子宮内膜症の部位でも内膜の増殖が起こる
  • 月経期 子宮内で出血が起こるのと同時に、内膜症部位でも出血が起こる
「子宮内膜症」が引き起こす激しい生理痛と不妊症
主な症状は、激しい生理痛です。炎症とそれにともなう痛み、また生理以外の下腹部痛、腰痛、排便痛、
性交痛などもあります。さらに不妊症との関わりも深く、卵巣機能障害や排卵障害、着床障害などが起こり、
原因不明の不妊症の50%に「子宮内膜症」があると言われています。
治療法について
「月経困難症」にはお薬を用いた治療法があります。心身ともにラクになるためにガマンしないで専門の先生に相談しに行くのであーる。
月経困難症の治療法
対症療法
薬を服用することで、痛みの原因物質が体内で合成されないようにします。
痛み止めだけではなく、漢方薬も対症療法のひとつです。
痛みの原因物質が出来てから(痛くなってから)ではなく痛くなる前から飲むと効果的です。
内分泌療法
痛み止めで痛みが軽減されない場合に、ホルモン剤で症状を改善する治療方法です。
生理痛の原因となる疾患をコントロールすることで痛みを和らげ再発を防止します。
LEP製剤※1が多く用いられています。
その他、黄体ホルモン剤、GnRHアゴニスト※2などもあります。すべて病院を受診して処方されます。
治療法と薬の種類・作用について 対症療法 薬の種類1 痛み止め 作用 生理痛の原因となるプロスタグランジンの合成を阻害する 薬の種類2 漢方薬 作用 冷え性、イライラ、貧血、生理痛を軽減する 内分泌療法 薬の種類 ホルモン剤 作用1 LEP製剤 低エストロゲン状態をつくり、子宮内膜の発育を妨げる 作用2 黄体ホルモン剤 排卵を抑制したり、病変に直接作用する 作用3 GnRHアゴニスト 女性ホルモンであるエストロゲンの量を少なくし、閉経したような状態にする
どちらの療法も薬の種類はさまざま。場合によっては対症療法と内分泌療法を組み合わせて
使用することもあります。お医者さんとよく相談して、あなたに一番適した治療法を選択しましょう。
内分泌療法には、吐き気やめまい、不正出血などの他に、まれですが血管の中で血のかたまりができる血栓症の
副作用も知られています。
下肢の急激な疼痛や浮腫、突然の息切れや胸痛、激しい頭痛などの症状が出た時はすぐに処方医に相談しましょう。
※1 LEP製剤:月経困難症を適応症とする保険薬。低用量の卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合剤。
※2 GnRHアゴニスト:性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン:Gn)を放出させるホルモン(RH)の働きを抑え、卵巣の機能を抑制します。
ぜひ一度、病院へ